2020年は世界にCOVID-19 が拡大し、12月28日午後5時現在、世界の感染者8079万2902人、死者176万5071人、日本の感染者22万1412人、死者3100人(米ジョンズ・ホプキンス大集計)という歴史に残る年になってしまいました。こんな年の春、緊急事態宣言のさなかの五月晴れのあたたかな日に、この法人は誕生しました。小さな法人ですが、未来へ向けた希望の種を持ってスタートしました。私自身は、大学院修了ののち、臨床実践家として18年、教育・研究者として18年という経歴ですが、設立時の仲間も同年輩で、臨床と研究に携わってきたキャリアたっぷりの医師・看護師・臨床心理士の面々です。
私は、女性のライフステージを軸に家族の形成・発達・ライフサイクルをとらえて参りましたが、その中でも特に、児童虐待の予防と、小児がんを中心とした小児期に慢性疾患を患った子どもと家族の生涯にわたるQOLの向上を目指して、研究と実践に取り組んで参りました。これまでは医療機関や教育機関に身を置き、貴重な経験をさせていただきましたが、今後は一般社団法人の立場で、活動を継続するだけでなく、楽しいプロジェクトを実施しようと考えています。
研究活動や研究支援、教材の制作、家族ケア症例研究会や、講演会・セミナー等を通じて、現任の実践家や、若手教員の皆さんと共に学び合い、研究の推進と学問の構築、実践の促進のサイクルが効率よくまわる仕組みを創出するお手伝いをしたいと考えています。また関連領域の学会との連携を重視し、大学や学会の手が届かないような活動を、担当していきたいと考えています。1粒の種が、根をはり枝をはり実を結んで、未来の大地に複数の種を蒔くことをイメージして活動します。どうぞ楽しみにしていただき、お声掛け、ご支援いただければ幸いに存じます。
2021年が新しい世界の再生の年になりますように、心より祈ります。
2020年 年の瀬に
一般社団法人子どもと家族のQOL研究センター代表理事
上別府 圭子